アメリカのテーパリングが先送りになり全面ドル安の流れから一服して落ち着きを取り戻していた新興国通貨が、再び際どい状況に迫られてきています。
インドネシアは12日の会合で再び0・25%の利上げを決定するもドル高の流れは止まらず、9月のルピア安値を更新しています。ブラジルも引き続きドル高地合いが止まらず、アルゼンチンは1ヵ月前の当コーナーでも触れましたが、その時点からさらに3%強、ドル高が進んでいます。遅かれ早かれアメリカの緩和マネーが縮小することは決まっているわけですから、前記以外にもドル高が顕著になっている国々は、通貨防衛に策を講じないと大きな通貨波乱要素になりえてしまいます。
白金の供給不足とドル高が進む南アフリカランドなどは、日本人投資家の投資意欲も強かった通貨です。対円では10円をはさんだ動きでこのところ膠着していますが、対ドルでは2011年4月以降、右肩上がりのドル高が続いています。直近の会合では金利スタンスについて緩和とも引き締めとも明確に示していませんが、ランド安が続いていることから、2014年以降は金融政策の明確な方向性が示されてくる可能性が高く、注意しておきたい点です。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。