8月も終盤に差し掛かってきました。特段の円高進行は見られず、ドル円は79円台で推移するなど為替に対する安心感が広がってきました。またユーロも99円台まで値を戻すなど、手掛かり材料がないままリスクオンの動きになっています。積極的な買いというよりは、ショートカバーという見方が大勢ですが、ドル円、クロス円共にレンジが切り上がったのは株価にも好材料ですね。
その中で比較的鈍かったのが豪ドルです。ユーロが値を戻る中で、対豪ドル、NZドルでもかなりの巻き戻しが起こりました。1986年以来の水準までユーロ安が進んでおり、戻り余地も高かったことから、全般的に円売りの中オセアニア通貨の地合いは重いという印象でした。加えて17日に豪財務相が「豪ドル高がさらに進んだ場合金利を引き下げるべき」と言及したことで一旦売られる場面もありました。
21日発表のRBA議事録では、豪ドル高の一因としてスイス中銀が介入で得たユーロを豪ドル等に転換しているということも指摘しています。スイス中銀の介入はユーロ安が進めば無制限に続きますので、これは豪ドルには追い風ですが、10月1日の国慶節を前に上海市場をはじめ中国の鈍さが気がかりです。外的要因が豪圧迫となるか気になる季節到来です。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。