昨年10、12月と2回にわたり政策金利を0・25%ずつ引き下げ、今年最初の2月5日RBA会合でも、0・25%の利下げも予想されていた豪ドルですが、対円では他のクロス円を牽引する強さで2008年8月以来の94円乗せまで続伸しました。直近では日銀会合を終えて一旦値を消し、日足のMACDもデッドクロスで調整場面に入りそうですが、高値圏でしっかりした強さを見せています。
23日に発表された第4QCPIを見ると、前期比で+0・2%となったものの、予想の+0・4%は下回り、RBAが重視する基調インフレ率が0・55%で、前期の0・75%を下回りました。
国内経済は断続的に行った利下げの効果が波及しているとみなされており、加えて最大の貿易相手国である中国の復調が追い風になりそうです。
中国の上海総合株価指数は2008年以来の2000ポイント割れで下値を探っていましたが、昨年12月に1949ポイントまで突っ込み、底値となりました。現在は急速な切り返しで2335ポイントまで上昇してきています。これが豪経済には大きく好感し、輸出資源の鉄鉱石価格上昇も貿易環境の改善も国内経済に寄与してきています。
労働市場は昨年8月来のマイナス転じるなど、直近で弱い数字が発表されましたが、利下げ効果と貿易環境の改善で追加利下げを囁かれていた金融政策のかじ取りが大きく変わってくるかもしれません。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。