先般より北朝鮮が核実験再開を唱え始めていますが、それ以上に我々日本人にとって身近なリスクが深刻度を増してきました。
2月5日に「尖閣諸島沖で中国の艦船が数日前に海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射」したことが伝えられました。このレーダー照射というのは、実質戦闘開始のロックオンに用いるもので、中国側からの日本に対する挑発はエスカレートするばかり。
そのニュースが流れてすぐに、為替市場は調整の円高から円安に転じ、クロス円を筆頭に高値を更新しました。その後は白川総裁の前倒し辞任(3月19日)に視線が目移りしましたが、この問題の方が根が深く息が長いのでは?
この間、特に目立った動きになっているのがNZドルで、豪ドルの軟調を背景に投資マネーがNZドルに流れて続伸し続けています。現在2008年8月以来の79円台を回復し、尚も堅調な動きとなっています。豪ドルが軟調とはいえ97円台まで来ていますので、ここからの上値を狙うよりは、NZドルの方がボラティリティが高そうなので、引き続き注目です。
押し目らしい押し目の無いまま円安続伸となっていますが、アベノミクスに加え、身近な地政学リスクがなお一層円安を牽引していきそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。