豪ドルが上伸しました。某アナリストのコメントに「一方的な取引という印象」とありましたが、豪ドルへの強材料が見えない割に一気に値を上げていきました。対ポンドでは28年ぶり、対円では2008年以来4年半ぶりの水準まで到達しており、その背景には他国の追加緩和を見据えて豪ドルへのマネーの流入が見られているのではないかという観測です。
現状では100円の大台乗せが一つの節目で到達目安になりますので、日本が20日に日銀新体制発足となり、臨時会合や追加緩和が現実のものとなれば、そこを目途にしたもう一段の買い威力が出てくるかもしれません。順当なスケジュールだと4月4日の日銀会合。ここまでで追加緩和が出れば一旦は出尽くしとなるか、次回に含みを持たせれば下げが良い押し目になるのか、自国の材料ではないだけに高値圏で難しい取引が強いられそうです。
またその豪州は、4月2日にRBAを控えていますが、同国も緩和余地を残したままですので、高値追いした後ですから一旦調整が入ると押しは深そうな印象です。
参考までに月足で見た過去の上昇率から値上がり水準を考えてみると、95年の58円から97年の100円まで71%上昇。2000年の55円から2007年の107円まで94%上昇。今回『2008年の54円を起点と見るなら』ば71%上昇はすでに達成。前回の94%上昇で見ると目安は106円です。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。