25日午前、当初懸念された小口預金(10万ユーロ以下)への課税を取消し、大口預金(10万ユーロ以上)への課税負担を増やし、キプロス第2位銀行キプロス・ポピュラー銀行の即時破たん処理でトロイカとキプロスが救済合意になり、ひとまず一安心かと思いきや・・・ユーログループのダイセル議長による不用意だけど本音がうかがえる発言「(キプロス救済のフローは)ユーロ圏銀行危機の解決に向けた新たなモデルになる」を受け、銀行再編や預金者による損失負担が、今後は通例となるのか?という不安感がユーロ安とリスクオフの流れを強めました。
その後、本人による打消しコメントは出ていますが・・・まだまだ経済不安の小国を抱えるユーロ圏にとって、今回のケースは非常にインパクトのある内容となりました。特に巨額のマネーを預け入れる大口投資家からすれば、下手をすると損失補てんに凄まじい増税がされかねないという不安が高まります。ユーロ地合いが落ち着くまでにはもう少し時間がかかりそうです。
この問題の再燃、キプロスの大口預金者と言われるロシア筋の対応などが、戻り売りの場面を作る地合いが続きそうです。そしてユーロ圏から逃げるマネーはどこへ?まずはスイスフランや英ポンドが妥当でしょうか?
ユーロ円は日足の一目均衡表で遅行線が基準線にデッドクロスしてきました。この形は昨年10月に一瞬見られましたが、すぐに切り返しに転じました。これが完全に下抜ければ、日々線は雲にかかっていますし、上値を抑えられそうです。
参考までに、昨年11月の安値100円31銭から、直近高値127円69銭の38%戻しが、117円23銭です。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。