日本時間で25日の午前0時、米上院銀行委員会でイエレンFRB議長は議会証言を行いました。3月のFOMCを控えて、現状の金融政策についてどのような思惑を持っているのか注目されていましたが、内容を見る限りはハト派な内容であり、利上げ期待は後退、株高・ドル売りという展開になりました。
利上げは経済情勢を踏まえて判断する姿勢を強調し、現在のフォワードガイダンス「忍耐強く」の意味について少なくともあと『数回』の会合で維持するという見通しを出しました。※過去、数回=2回と言及
一部では、これで利上げ開始時期が12月に後ずれしたという見方もあり、一方で6月利上げに対する思惑が高まる市場期待を鎮静するためにけん制発言を行ったという向きもあり、方向感は定めづらい状況ですから、3月6日発表の2月雇用統計の内容が、その後控えている3月17-18日のFOMCの行方を占う大きなポイントとして注目度が高まります。
1月雇用統計までの内容を見ると、3ヵ月で100万人強の雇用を創出し、3ヵ月平均雇用者数は30万人以上です。平均時給も回復し、失業率の0・1%悪化も「景気が良くなったことで就職希望者が増加した」と捉えられて、好感されました。欧州からアメリカへ、為替市場の目線が本筋に戻ってきますので、米指標に注意していきましょう。
尚、アメリカは3月8日よりサマータイムです。指標発表時間が1時間繰り上がりますから気を付けて下さいね。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。