しばらく米経済の軟調な経済指標が続き、ドル円相場もこう着感が強まっていましたが、先週末の強い住宅指標と安定してきたCPI、加えてイエレン議長が年内利上げを示唆したことを受け、欧米は3連休明けの26日夕方から、ストップを狩ってドル円が凄まじい上昇になりました。今年3月の122円03銭を上抜け、NY時間には123円台乗せとなり、5月28日には2002年12月以来のドル円124円45銭まで上伸しました。2007年6月の高値124円10銭は軽々突破と破竹の勢いです。
現在、アメリカの利上げは9月開始が大勢ですが、6月には議長会見が予定されるFOMC会合を控えており、6月5日(金)に発表される5月の雇用統計の数字によっては、再び利上げ時期を伺う思惑がまた変化しそうです。
この数年の5月雇用統計の数字を見てみると、特段予想を上下にかい離することも無く、あまり動意付くような数字は出てきていません。ちなみに、直近6ヵ月のNFPの平均値は24・8万人です。3月分は8・5万人に落ち込み、利上げ開始予想時期を一気に後退させましたが、4月は22万人台に回復しました。
これを踏まえて5月分は、NFPが20万人台の数字となれば、3月の落ち込みは季節的要因の一時的な数字だという判断になり、好反応になりやすいかと思います。5月分の予想数値は来週中頃、ヒントになるADP雇用統計は6月3日(水)21時15分発表です。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。