先週行われた米FOMCで金融政策の据え置きが決定されたことで、FEDの金融のかじ取りがますます難しくなってしまった印象を受けています。世界経済への影響を鑑み利上げ時期が後ずれしているわけですが、今週はフォルクスワーゲンの不正問題を受けて金融市場が再び波乱に巻き込まれ、後ろにズラせばズラすほど、景気減速を感じさせる材料が湧いてきており、世界経済を注視していると声明に入れている以上、ますます利上げしにくい材料に阻まれつつあるような感じがします。現在の市場マインドは「年内利上げは無理だろう」と固まりつつありますが、毎度のことながらFOMC直前に新たな雰囲気が出てきますから、現状は利上げ有無を決めつけてトレンドを見ていくことは出来ません。
ドルは直近で116円15銭の円高を付けて以降、三角保ち合いになっており、上値は200日線で抑えられ、120円を挟む小動きの攻防でボラティリティが無くなり投資妙味が薄れてきています。
この地合いでチャートに変化が出てきている1つがユーロポンドです。ユーロが2013年10月以来、約2年ぶりに200日線を上回ってきました。追加緩和が期待されるユーロですが、ドル買い妙味が薄れれば相対的にユーロが買われやすいという地合いの中で、目先はユーロ妙味が高まるのでは?
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。