先週末発表された米雇用統計が予想外に悪化していたことで、アメリカの利上げムードがかなり薄まってしまいました。あんなに「年内利上げ」を強調しながらもタイミングを逸してしまった感が否めませんが、ここからFEDはどういうかじ取りをするのでしょう?利上げ見通しが後退するも、その背景に経済成長の鈍化が見えることから、NYダウの動きもかなり鈍く、株安・ドル安への不安がもたげてきます。
ドル円月足チャートを見ると、10月に入ってまだ5営業日ですが、一目均衡表の転換線を完全に下回って推移しています。今月の転換線は120円85銭ですから、この水準を抜けないと、完全に下抜け確認となります。これは2012年9月以来の形となり、高値水準で陰線つつみ足、MACDのデッドクロスなどに加えて、一段と天井を示唆するネガティブなシグナルの出現となります。
直近のドル円は120円アッパーから119円の小幅レンジで動きが出てきません。ここにファンダメンタルズの悪材料が加われば、水準訂正は必至となりそうですので、年末に向けてドル円相場は正念場、そして利上げ時期を伺ううえで、イエレン議長も就任後一番の正念場となりそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。