先般、新政権として発足したターンブル首相が、初の本格的な外遊先として日本を選んだようで、12月に訪日することで調整が始まりました。前首相と安倍首相は蜜月関係と言われていましたが、新首相は安全保障に目を向けた中国寄りだという見方が強く、次期潜水艦の共同開発企業(日本企業の候補は三菱重、川重)の決定を1年先送りすべきという意見が豪新政府サイドから出て来るなど、日豪関係の変化に懸念が出ていました。そういった見方を払しょくする狙いもあっての訪日のようです。
豪経済は、世界的な資源需要の減退に伴い、人員削減や鉱山閉鎖、工場閉鎖等の緊縮策が続いており、近年に無い厳しい状況に陥っています。お隣のNZが、2008年に就任した経済に明るいキー首相(元メリル)の元、これまで安定した成長をしてきましたので、それに倣い豪経済の立て直しに勤しむターンブル首相(元GS)の方向性がどのようなものか、対ドルを中心に下落し続けた豪ドルの切り返しのキッカケになれるかどうか、期待したいところですね。
28日発表された豪7-9月CPIにおいて、RBA政策決定する際に注目する基調インフレ率は、前年同期比で2・15%となりました。前回4-6月が2・3%でしたから、2-3%のインフレ目標の下限にますます近づいて来ました。豪ドルは売りで反応し、来週3日のRBAでの利下げ思惑も強まっており、反発出来ません。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。