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NZドルの取引手掛かり材料に不安2015.11.06

先週、中国は五中全会で「一人っ子政策の廃止」を発表しました。これを受けて、出産増と粉ミルク需要の増加という連想から、乳本位制と言われるNZドルが上昇しました。そして今週は、月に2回発表されるGDT価格(乳製品価格卸指数)が前回比で-7・4%となり、夏につけた2002年以来の最低水準からの切り返しが注目されていましたが、乳製品価格の価格回復は順調ではないという印象を強く植え付ける展開になっています。

また先進国と比較して、2013年は3%、2014年は3・2%と堅調な経済成長を背景に、NZは中心地のオークランドを中心に不動産価格の上昇が激化し、オークランドの住宅平均取得価格はロンドンをしのぐとも言われます。国全体にインドを中心とした移民も増加しており、2040年までには人口の100万人増加が見込まれます。10月1日、RBNZは住宅ローン規制の強化をしましたが、引き続き移民が増加し、且つ低金利政策が長引けば、需要に対して供給が逼迫し、中古住宅市場を中心に一段と住宅価格の高騰は続きやすい地合いです。

ただ、経済成長が鈍化する中での不動産価格だけの突出した上昇は、過去の経済の繰り返しを見ると、不安も否めません。NZドルは市場が小さいだけにトレンドが固まりやすく、柔軟な視線で追いかけていきたいところです。特に直近は乳製品価格の変動とフォンテラ社の見通しに注意しておいてください。
    
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。

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