10月のECB会合で話し合われたという預金金利の引き下げについて、11月10日のロイター報道では現在の▲0・2%を12月会合で引き下げることが理事会でほぼ合意していると伝えられました。どのぐらいの幅になるのかが焦点になると思いますが、現在欧州ではデンマークが▲0・2%、スイスが▲0・75%と実施しており、これらを参考に判断されると思います。しかしながら、この2ヵ国とも欧圏に比べてごく小規模ですから、同様の効果が得策かどうかは判断できないため、欧州各国の要人からの発言で思惑を高めていくという流れがこれから1ヵ月続くのではないかと思います。
預金金利がさらに引き下げられれば、ECBはQEにおいて買える債券の幅が広がるとの思惑から、市場は先取りする形で短期債利回りが低下しており、独2年債利回りは、11月10日時点で▲0・3544まで下落(今年1月時点では0・279)しました。直近では仏短期債利回りも過去最低を更新し、イタリアとスペインは初の利回りマイナスを記録しており、現在▲0・1%の引き下げがコンセンサスになっていますが、これ以上の幅が思惑として浮上すればなお利回り減速が加速し、ユーロ売りが強まりそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。