ドル高ユーロ売り基調一色になっている為替市場ですが、足元で豪ドル円のチャートが変化してきました。日足チャートで今年6月26日に一目均衡表の雲を下抜けして以来の雲抜け示現となり、テクニカル的に上値追いが見られる形になっています。
ユーロからの逃避や、対ドルで大きく下落した安値圏であることから、見直し買いが入っているものと思われます。資源価格はまだまだ下値を探っているものの、資源国通貨は全般的に底堅く、特に豪ドルはしっかりした動きが伺えます。
豪ドル変化の起点になったのは、今月12日に発表された10月の雇用統計の好結果でした。就業者数は予想1万5千人に対し、結果5万8600人となり、2013年2月の7万4千人以来の好数値となりました。失業率も6・2%予想に対し、結果5・9%と昨年5月以来の低水準まで回復するなどこのところの減速感を払しょくさせる内容です。
RBAは引き続き緩和余地を示していますが、景気見通し回復がやや強まっており、現在の豪ドル安水準が国内生産需要を後押ししていると歓迎していますから、急速な豪ドル切り返しにはなりにくいものの、安定した買戻しで緩やかな上昇トレンドになっていく可能性が高いと見ています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。