原油価格の下落が止まりません。12月8日のNY時間では、一時36・64まで下げたことで、資源国通貨が軒並み安の展開になっています。北海油田を持つノルウェークローネは2002年以来の安値、カナダドルは2004年以来の安値、ロシアルーブルも安値追いが続いています。
12月3日の会合で0・50%の政策金利据え置きを発表したBOCですが、昨日ポロズ総裁が「BOCは非標準的な金融政策について研究している」「必要であれば政策金利-0・5%まで引き下げ可能」と、引き続き原油安が続くようであれば金融緩和策をとることをコメントしました。カナダは2014年末時点で、サウジに次ぐ世界第3位の原油埋蔵量を誇っていますので、原油安が経済圧迫に顕著に繋がります。しかしカナダドル安が自国経済をサポートし、今年1-3月、4-6月はGDPマイナス成長でリセッションに陥っていたものの、12月1日に発表された7-9月期GDPが+2・3%と回復し、一旦リセッションを脱却しています。しかし、10-12月期分については、再びこの原油安がどのように影響するか注意が必要です。
8日のポロズ総裁発言のように、マイナス金利言及が強まるようだと、利下げ懸念が台頭してカナダドル売りが強まりますし、他の資源国通貨への思惑の連想も出てくるかもしれませんので、来年前半は特に注意して見ておきたい通貨の1つです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。