12月の材料一服で、海外勢はクリスマス休暇が明けるまで積極的な取引はしてこない今、じわじわと下げが顕著になっているのが英ポンドです。
BOEは近年「次の政策対応は利上げだ」と発言をし続けており、米に続く利上げ期待通貨の位置付けを固めていましたが、一方インフレ率が高まることもなく、利上げ実施されることもないまま今年も終え、次第に利上げ期待が剥落していることが明白な動きになってきました。
また早ければ来年夏場には、EU離脱の是非を問う国民投票の実施が見込まれています。
ポンド利上げ期待がじわじわとポンドを押し上げ買っている向きもありましたが、利上げ期待が遠のき、かつEU離脱で不安感が高まるとなると「ポンドを放しておこう」という動きが強まった結果、ポンド売りが進んでいるという動きのようです。
ポンド円の週足チャートは、今週雲を下に割り込んできました。今週末に182円まで戻らなければ、完全に雲抜けの形です。2012年11月に週足の雲を上に抜けて以来の変化になりますから、テクニカル的に大きなトレンド転換です。ポンドドルではレンジの下限で推移、ユーロポンドの週足チャートを見ると0・69台がダブル底になりそうな形です。下値を固めてユーロ買いが進む可能性が高そうな形になってきました。
2016年初頭は、引き続きポンド売りが進む可能性が高そうですね。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。