今週末、中国の上海で開催されるG20を前に、各国の牽制コメントやスタンスが見え隠れしてきました。今回は世界中が金融不安に包まれている最中であり、金融・為替政策に対しての具体策を求める声が多くなっています。まずはG20でどのような内容が出て来るかを待つ雰囲気になってきているものの、ここへきて再び原油相場不安定になってきました。
2月23日NY時間にサウジアラビア石油相が減産を否定する発言をしたことで、先般4ヵ国(サウジ、カタール、ベネズエラ、ロシア)の1月の生産量で凍結合意、イランが支持といった流れが意味をなさないものだったことが明らかになりました。またIEAのレポートによるとイラン、イラクは増産姿勢であることが明らかになり、大方の予想通り欧米の経済制裁が解除されたばかりのイランが増産凍結をするわけもなく、再び原油供給過多の状況に追い込まれていく懸念が強まっています。
このところの原油反発で、豪ドル、カナダドルなどの資源通貨に出直りの動きが出ていましたが、原油不安でその流れは一旦反転してきました。またクロス円全般に円高基調が強まっています。原油安による資源通貨の値ごろ感での買いはまだまだ早計と見て、原油の情勢は長い目で見ていかなければいけないのではないでしょうか。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。