豪ドルと鉄鉱石価格2016.05.13

4月末に発表したCPIが非常に悪い数値だったオーストラリアは5月3日、0・25bpの利下げを実施しました。利下げによる豪ドル売りが一旦落ち着きましたが、豪ドルの次の動向を見る上で注目指標としてチェックしておきたいのが鉄鉱石の価格です。
 
オーストラリアは資源国通貨として有名ですが、特に輸出量が一番多いのが鉄鉱石です。輸出全体の4分の1を占め、その大半を中国に輸出しており、中国での需要が大きくカギを握ります。
 
鉄鉱石価格は2011年頃180ドル台で取引されていたのが、昨年12月には10年ぶりに38ドル台まで値下がりしていました。そこから急反騰に転じて、5月2日には64ドルまで上昇していましたが、その後再び急速に値を消すという投機的な動きになっています。
 
オーストラリア政府は3日、2016年度予算案で鉄鉱石の出荷価格見通しを1トン55ドルとしました。直近取引価格である55ドル台にピタリ一致しています。このまま鉄鉱石がこの価格を崩れずに保てるのであれば良いですが、価格が下向きに転じて来ると、再び豪経済に直結し、追加利下げに警戒が広がります。
 
オーストラリアは7月2日に総選挙を予定していますので、6月のRBA会合は据え置きとなると思いますが、鉄鉱石価格が崩れ、且つ7月末に発表される4-6月CPIが今回同様に厳しいものであったとしたら、夏から秋にかけて追加利下げをする可能性は非常に高いものになるのではないかと思います。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。

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