Brexitの投票を1ヵ月後に控え、英国内でも要人の舌戦が続いていますが、ポンドは対円、対ユーロで一段高となり、テクニカル的には久しぶりに変化が出てきています。ポンド円は日足の一目均衡表で25日、雲を下から上に突き抜けてきました。昨年12月9日に雲を下割れした184円の水準以来、4ヵ月半ぶりの変化です。向きの変化も出て来た90日線に対しても、直近で上に抜く動きになっており、投票に向けて離脱不安で売られていたポンド円の買い戻しが一段と強まっているようです。その動きは対ユーロでも同様で4月までの分かりやすい右上がりの上昇トレンドが一転し、4月の高値0・8116から高値を結んだ右下がりのトレンドラインと下値を結び、右下がりボックスの相場になっています。
但し、ポンドドルには月足で要注意の形が。月足チャートで見ると、2001年6月の1・3677の安値、2009年1月の1・3503の安値、そして今年2月の安値1・3835の安値と過去15年のチャートでおおよそ同じような水準で安値を付けて反転しているように見えますが、終値ベースで見てみると、過去2回の安値は大きな下ヒゲになっているのに対し、今年2月の安値は実体を伴う下落で終値も大きく下げており、終値ベースで見ると、過去の安値を割り込む非常に悪い形になっています。これに米利上げが加わってくるようだと、長期的に再度ポンドドルは売られる可能性もあるかもしれません。
ポンド反発の場面ですが、チャートによって大きく形が異なっていますので、通貨ペアの選択と、チャートの変化、節目の意識を強めたトレードを。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。