6月23日未明(日本時間24日)、イギリスのEU離脱が国民投票により確定しました。投票率は72・1%で、2001年以降の総選挙と比較して突出して高く勝敗は拮抗しましたが、最終的には離脱が51・9%、残留が48・1%と僅差で離脱が勝利しました。
24日の朝6時、投票が締め切られるその時まで、市場は残留期待が高いということでリスクオンムード、イベント通過という雰囲気が強かったのですが、投票締め切り直後に調査会社のyougavの出した出口調査(対象5千名)が残留52%、離脱48%と報じたことで、ポンド円は160円まで上昇するポンド買いになりました。結果、Yougavは真逆、Yougav報道のポンド買いが高値となり、離脱派が強まるとともにリスクオフの円買いが加速しました。離脱確定の第一報を受けてポンド円は一時132円94銭まで下落し、1日の値幅で27円もの変動を見せました。リーマンショックの時の1日のポンド円値幅が20円だったと記憶していますから、それを上回るポンドの変動です。
またポンドドルは歴史的な安値を割り込み、1985年以来31年ぶりの1・35割れを示現、EU離脱の余波をアジア時間で目一杯受け止めて、日本株は下落し、円は急騰する凄まじい1日になりました。
一旦は介入期待や協調行動を期待し、ショートの巻き戻しも入っていますが、初のEU離脱国が出たということで、今後の方向性はまだまだ未知数です。金融市場は混乱の中でキャッシュを安全資産に振り向けてきますから、まだまだ円買い加速に繋がる懸念もあります。ドル円の100円割れはちょっと魅力的ですが、売るにも買うにも下げ止まり、上げ止まりを確認してから入るようにして頂きたいと思います。
また今日の結果を受けて、既にスコットランドや北アイルランドではイギリスからの独立を伺う声が強く出始めているようです。フランスやオランダでは英国に続く国民投票を求める声も高まる機運で、綻びが露呈したEUのこれからに不透明感と強い不安が高まりそうです。
まずは米欧がどのように今日の結果を織り込むかをしっかり見てから次の方向性を伺っていきましょう。