英のEU離脱投票から数日経過し、市場は少し落ち着きを取り戻して買い戻しの相場地合いになっていますが、米FF金利先物市場が織り込む今後のFOMCの決定については、7月FOMCが利下げ確率4%(27日は7%)、12月で利下げ確率8%、利上げ確率17%と、利上げ予想が一転して利下げの思惑が台頭してきました。これまでの利上げ時期を探る動きは消滅し、7月のFOMCでは(議長会見はありません)声明の中で世界経済についてどのような見通しを含めるのかがポイントに変わりそうです。あまりにハト的な内容であれば、利下げ懸念は一段と強まる可能性もあるのでは。
6月24日、英EU離脱が決まった瞬間ドル円は一時2年7ヵ月ぶりに100円を割り込み、現在は101~103円のレンジになっています。少なくとも参院選までは100円に強力なサポートが入り維持されそうですが、問題は選挙以降です。にわかに懸念が強まる中国は、7月末から秘密裏の首脳会合が予定されていますし、9月頃には離脱交渉を行う英の新しい首相選出が注目されると思いますから、離脱に絡めた報道で再び激しい混乱が出てくる可能性も警戒しておきたい季節になります。この急速な円高を受けて、金融機関から外貨運用のご案内電話がかなり来ているという話をあちこちで聞きますが、今はそういった長期投資を考えるには時期尚早ではないかと思います。まだまだ現金比率は高めで短期回しに徹して行きたいところ。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。