BREXITショックの100円割れから急速に値を戻して103円台まで反発していたドル円ですが、5日のリスクオフ地合いで再び円高が加速し、100円台まで値を消してきました。今週末は参院選挙を控えていますから、加速度的な円高進行が見られれば、当局も何らかの円高ストップをかける可能性も示唆されますが、8日は米雇用統計が控えており、介入しようが何しようが、結局金曜日の夜に出る雇用統計次第ではないかと思われます。
6月米雇用統計、現在予想中央値は、NFPが17・5万人、失業率が4・8%です。
前回5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+3・8万人となり、5年8ヵ月ぶりの低水準となったことでドル急落地合いになりました。これまで10万人~20万人あたりで推移してきたNFPの急減で米利上げ期待が一気に剥落し、ドル円はこの日2円50銭近く下落して今年安値に顔合わせする水準まで下げました。さらに6月16日の日銀金会合のゼロ回答で、今年安値を下にブレイクし、105円台を割り込んで安値更新となりました。
BREXITを経て100円台割れまで示現したドル円相場のテクニカルを見ると、月足チャートで7月~8月にかけて96円~97円に雲の上限が掛かりますから、下落した場合は一旦このあたりで止められるかもしれません。しかしその後の雲は右上がりに上昇して行きますから、下値の抵抗ゾーンにはなりにくく、今夏は2013年1月以来のテクニカル変化が出てくる可能性もあります。雇用統計後は下値追いの動きがあれば96円あたりをターゲットに乗るも、行き過ぎの反発や介入に警戒して短期回しを前提に。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。