6月に6円台ミドルまで下げて安値を付け、直近は切り返しの動きになっていた南アフリカランドが、8月23日の夜急落しました。南アフリカ警察の特別組織(Hawks)がゴーダン財務相に出頭命令を出したと伝えられたことが手掛かり材料になっています。市場では、再び財務相交代の懸念が広がり、目先は南アフリカランドが下げやすい地合いになりそうです。
今年6月、ゴーダン財務相について、国税長官時代にゴーダン氏がスパイ部門設立に関与したかどうかについて捜査を開始したと同国のサンデー・タイムズ紙が報じており、ゴーダン財務相が逮捕に直面していると報じました。対してゴーダン財務相は「まったく無実なことに対して捜査を受けており、起訴される可能性があるなどということは信じがたい」と一連の報道を否定していましたが、この内容が蒸し返される事態になっています。
南アフリカは昨年12月、ズマ大統領が現職の財務相を突然更迭し、新しい人事を発表するも、再び人事が変わるという先進国では考えられないような交代劇が繰り広げられ、政治不信が高まり市場の信頼を失墜するような出来事がありました。資源価格が反発地合いになってきたところで、国内事情で再び南アランドを買いづらい不透明感が広がっています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。