6日に発表されたISM非製造業景況指数が事前予想の55・0を大幅に下回って、51・4と低水準に留まりました。前月は55・5でしたから、前月比で見る下落幅は2008年11月以来という大きさになり、数字自体も2010年9月以来の低水準に留まるという悪い結果になったことで、利上げ期待が剥落し、急ピッチで円高・ドル安が進んでいます。6日まで104円台に乗せていたのが、一晩明けて、東京の早朝にもポジション調整によるドル売りが強まり、このコラムを書いている7日午前で、ドル円相場は101円ミドルまで下げています。
同日発表された労働市場情勢指数も-0・7となり、どんなにFEDメンバーが利上げしよう発言を繰り返したところで、9月利上げの期待は剥落するばかりとなっています。
FOMCまで残り2週間ですが、13日にはブラックアウト期間に入るので、FED要人からの利上げ発言は息を潜める時期になります。この時期に注目される経済指標として15日には9月フィリー指数、NY連銀景況指数、8月鉱工業生産、設備稼働率、そして8月小売売上高が控えています。製造業の鈍化が注目される中、これらの指標がどのようになるのかがFOMCを前に大いに注目される点になると思われます。予想値を見る限り、鉱工業生産は前回0・7%に対して、今回は-0・2%、小売売上高は変わらずも、除自動車は前回-0・3%に対し、+0・3%と回復が見込まれています。
GDPの7割を占める個人消費が回復できるのか?直近の自動車販売は減速しており、製造業指標は減速傾向です。9月利上げに再度火が付くか、完全に消失するかを決める大いに注目される指標が続きますのでご注意ください。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。