昨年暮れの12月10日、突如南アのズマ大統領がネネ財務相を解任したことから強まった南アの政治不信ですが、一段と南ア投資に懐疑心を強める雰囲気を強めています。
今年2-3月には当局がゴーダン財務相を巡り捜査しているという報道がありランドが売られましたが、再びこの財務相を巡る政治不信がランド急落の引き金となりました。
日本時間で10月11日の17時過ぎ、ランドと南アが世界の75%を占める鉱物資源の白金が急落しました。ゴーダン財務相が告発されたという一報でしたが、直後にご本人が「警察から出頭命令を受けた」と発言したことから、この内容が事実であると広がり、南ア売りが広がりました。南アフリカ検察当局はゴーダン財務相に対し「詐欺の疑いで11月2日に裁判所に出頭するように命じた」とのことです。金融市場からの信任の厚いゴーダン氏ですから、ますます南ア経済への不信感が広まる形になっています。折角原油が50ドルを回復して資源通貨にやや風が吹いてきたタイミングで、経済再生に向かおうとしている南アフリカですが、なかなか足元が固まりません。
ゴーダン氏は出頭命令を受けましたが、現段階では引き続き財務相の職に留まる意向を示しています。現在の南アランドは対円で7・21円、対ドルでは14・36ドル近辺で推移しています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。