18日に発表された英国の9月CPIを見ると、前年比で+1・0%と、2014年9月以来の高水準に達し、BREXIT以降のポンド安による恩恵が強く表れた結果となった。前月の+0・6%からも大きく回復となり、BOEのブロードベントBOE委員は「インフレ目標の2%を上回る可能性が高い」と今後数年間でさらにインフレが上昇することを示唆しています。
実際にポンド安の長期化が見込まれていることから、英国のインフレ率は2017年に2%に達し、後半には3%台を突破するのではないかという見通しも出てきました。
英国は2±1のインフレターゲットを採用しており、この水準を上下にオーバーブレイクした場合は、BOEが英財務省に公式書簡でその理由を説明する責を追うという他国に無い金融政策があります。そしてこのインフレターゲットに忠実に金融政策を行使しますので、今年8月4日に資産購入枠を4350億ポンドに拡大し、政策金利を25bp引き下げた対応の出口戦略も、2017年以降はBREXITの方向性を加味しながら検討される可能性があります。
ただし、企業の国外流出懸念も避けられないことから、引き続き期待と懸念の交錯で、上下共にボラの高い展開が期待されます。尚、ポンドと一緒に見ておきたい英国株価・FTSE100指数ですが、こちらは6月以降5ヵ月連続陽線で高止まりが続いています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。