30日のOPEC総会を控え、51ドル台から一時は43ドル台まで下落していた原油ですが、会合の思惑を控えて再び持ち直す動きになっています。OPEC関係筋は、リビアとナイジェリアを除く全加盟国の産油量を4%前後削減することを協議する見通しであるとしており、一番の不安材料であるイラクのアバディ首相が「減産により失われるものを、石油収入で補う」と原油価格の下支えが優先事項であると意思を述べました。OPEC加盟国の高官会合でも、減産期間を6ヵ月とする方向で調整が進んだという報道が出たことから、買い戻しの動きが広がっており、各国の減産割り当て合意が決まるか決まらないかの可能性が五分五分の雰囲気になってきています。
30日は、減産割り当てを決定できるか?ロシアをはじめとするOPEC非加盟国はどのような行動をとるか?の2点を注目材料とし、30日前後は原油価格と資源国通貨を筆頭に荒い展開が予想されます。
豪ドルは対円で24日、83円47銭まで上昇して、週足の一目の雲の下限まで値を伸ばしてきました。これは原油上昇+急ピッチな円安が追い風になっています。ドル円がもう一段伸びるようだと豪ドル円も連れ高しやすい地合いですから、次の上値目標としては直近高値の86円ミドル。この水準は来週の週足一目の雲の上限にもあたりますので、このあたりまでの伸びを前提に見ておきたいですが、OPEC動向次第でガラッと地合いが変わるので、くれぐれも高値で掴まないよう押し目を拾って細かく利食うスタンスです。
※こちらのコラムは木曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。