今週末は、イタリアの国民投票、オーストリアの大統領選挙など重要な政治スケジュールに視線が集中していましたが、一番のサプライズになったのは5日早朝に突如発表された、ジョン・キーNZ首相の辞任表明だったのではないでしょうか。まったく青天の霹靂で、事前にそういった報道も無かっただけに、一時的にNZドルは不安感から売りが広がりました。翌日には、イングリッシュ現財務相が与党国民党の党首選に出馬を表明し、キー首相も応援表明していることから、政治混乱は無く、キー首相の右腕として鳴らしたイングリッシュ氏が首相の座に就くことが予想されますので、政治不安は一瞬で鳴りを潜めました。
ただ、日常のニュースを見ていても、NZのニュースなどラグビー(ALL BLACKS)と最近はTPP問題などであまり取り上げられることがありません。首相のサプライズ辞任といった時に、マイナー国の報道が少なく様子が掴めないもどかしさを改めて感じました。最近では高金利で人気を集めたトルコリラも下落の一途になっており、情報は後から知るという事が多いですから、マイナー通貨の取引はこの点をよく念頭に置いてご自身の資産からの取引配分を考えて下さい。
さて、イタリアはレンツィ首相が辞任を表明し、国政は混乱を極めそうな雰囲気が強まっています。オーストリアはひとまず極右政権の誕生を阻止し、順当なラインを保ちましたが、来年のフランス大統領選挙、ドイツ総選挙が控えています。ユーロ圏の政治が安定するにはまだまだ長い時間がかかりそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。