12月10日、OPECと非OPEC加盟国の主要産国が協調減産に合意をしたことで、原油相場がしっかりした動きになっています。その後発表されたIEAの12月月報でも、協調減産合意の影響を判断するのは時期尚早としたうえで、2016年、17年の世界石油需要が従来より大幅に増加する見通しを示しました。これは独自の予測ではなく減産合意に基づいた見通しであることを示し「OPECと非加盟国が合意を守れば、17年前半に世界の在庫が減少し始める可能性がある」としました。合意を守れば・・・まだこの点に不安は残りますが、米国以外の主要産油国が皆で強調して行動を決めたという点は評価されており、原油市場への不安感がかなり払拭していきそうです。
この流れを受けて、円安で上昇していた資源国通貨の対円相場が一層堅調な動きになっています。豪ドル円は2015年1月に週足の一目均衡表の雲を下に割り込んで、その後は下落相場が続いていましたが、この動きを今週突破してきました。カナダドル円も上抜け目前の動きになっています。また資源国通貨と動きが連動しやすいNZドルもしっかりしており、既に雲は上抜けして上昇基調が強まっています。先般、キー首相の突然の辞任で一瞬不安感が広がりましたが、12日にイングリッシュ財務相が新与党党首に選出され、第39代首相に選ばれたことから、キー首相路線の継承が確認され不安感は解消されました。
国内要因であると、16日にプーチン大統領の来日を控えており、会談内容が注目されますので、これらの通貨をお持ちの方は、ちょっと利益を確定しておいても良いかもしれません。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。