17日の報道で、20日に大統領に就任するトランプ氏が13日に行われたWSJ紙とのインタビューで「中国が人民元を押し下げている為、ドルが既に高すぎる」というドルけん制発言をしたことで、ドル円がかなり鈍い動きになってきました。また17日夜に行われた英国メイ首相のブレグジッドに対する姿勢表明によってドル買いが一層解消され、12月には118円66銭まで上昇していたドル円は、18日に112円ミドルまで下落し、日足は11月の大統領選挙以降で初の5日連続陰線で崩れてきました。週足でも現在5週連続陰線になりそうで、12月の高値から大きく動きが転換した形を確認するチャートになっています。
そんな中、今週20日にトランプ氏が新大統領に就任するわけですが、通常は就任から100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、比較的好意的な目で見られるのが常です。メディアは新政権への批判を控えるという習わしがあるのですが、トランプ氏の場合は例外な大統領になりそうです。
先般の会見でも改めて露見したように、メディアに対する強い不快感を臆することなく表明しており、メディアとの関係は最悪な状況です。CNNなど会見でボロボロに言われていましたから、ハネムーン期間だからと遠慮せず厳しい論調を並べて来る可能性の方が高いかもしれません。つまりハネムーン期間はないかもしれない・・・メディア批判が強まれば、金融市場の反応も一段とシビアになってくるかもしれません。
11月8日の大統領選挙当日につけたドルの安値から直近高値までの38・2%押しがちょうど112円ジャスト、50%押しが約110円です。このあたりで一旦下値を止められるか、割り込んでいくか?目先は下げ基調が強まっていますので、もう少し押し目を待ちたいチャートの形です。トランプ氏の就任と、一般・予算教書の内容を見るまで様子見でうかつな買いを入れないようにしていきましょう。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。