大変ご無沙汰しております、横尾です。3月よりコラムをお休みさせていただいておりましたが、6月より再開させていただきます。どうぞ今後とも宜しくお願い致します。
株価2万円、NYダウ史上最高値更新と、株価の堅調さが下支えしてくれているような印象を受ける為替市場は、ちょっと「何か」が起こると、ぐらっとしてしまいそうな雰囲気が続いています。ドルも1ヵ月前は114円まで上昇していたのが、直近では110円を割り込んできており、買い安心感がありません。極東リスクに英テロリスク、直近ではカタール断交など次から次へと波乱含みな問題が出てきていますので、無理もありませんね。
この地合いで堅調な通貨として注目しているのがNZドルです。分かりやすい所では、ドル円チャートや豪ドル円チャートと比較していただくと一目瞭然で、5月の高値から下げる局面はありましたが、盛り返して値を保っており、日足チャートで一目の雲を上に突破目前となっています。抜けて来ると2月以来の変化になりますから、チャート的にも一段と買い妙味が強まりそうです。
その背景でポイントになるのが、乳製品価格です。月に2回(第1、第3火曜日)発表されるNZのGDT価格が、3月下旬の入札から6回連続プラスとなっており、これが好材料と見られています。お隣のオーストラリアは中国の経済鈍化懸念を背景に鈍い動きになっており、AUD/NZDを見ても際立って強くなっているのが分かります。
来週15日に発表されるGDPは1-3月のものですから、この乳製品価格の変化が経済に反映されるのは4-6月になりそうですが、少し長い目で注目したい動きになっています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。