1年で一番円高になりやすい8月に入りました。ドル相場は、8日に発表された6月の求人労働移動調査(JOLTS)が前月比46万1千件増の616万3千件となったことで、統計開始の2000年12月以降最高を記録する好数字となりました。先般の雇用統計も合わせ、一時期薄れていた年内の追加利上げに含みを持たせる雇用の回復を確認させる数字になったわけですが、ドル円は再び110円を割れる動きになっています。
既報で、9日朝の日本株売り材料になっていますが、トランプ大統領が昨夜未明、北朝鮮に対し「米国にこれ以上脅しをかけると世界がこれまでに見たことも無いような復讐と放火に満たされるだろう」と恐ろしいコメントを出し、対して北朝鮮国営の朝鮮中央通信社が、米国領グアムへのミサイル攻撃を「慎重に検討している」と伝えたことで、地政学的リスクが高まっています。先般もICBMを日本の排他的経済水域である北海道沖150キロのところの射落とされているわけですから、春ごろに出たような地政学的リスクとは重さが全く違いますね。今すぐに何かが発生する可能性は低そうではありますが、警戒の夏と考えるとやはり円高必至と見ておいた方が良さそうです。
米国は8月21日から米韓合同軍事演習を行い、9月1日には北朝鮮渡航禁止措置が施行されます。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。