9月6日、豪の第2四半期GDPが発表され、予想値より下振れたことから、ファーストインパクトは豪ドル売りになっています。この数値ですが、さほど落胆する数値なのでしょうか?
予想値は前期比で+0・9%に対し、結果+0・8%、前年比では予想値+1・9%に対し、結果+1・8%となりました。確かに予想値より下振れる数値とはなりましたが、第1Qを見ると、前期比+0・3%、前年比+1・7%ですから、順調に回復してきていることがうかがえます。欲を言えば、もう少し前年比の伸びが欲しかったところではありますが、もともと年前半は成長率が鈍く、後半回復するという見通しでしたから、当初予定通りの成長率が確認できたのではないでしょうか。あまりネガティブにとらえる必要はないと思います。
とはいえ、気になるのは要人発言です。豪ドルが堅調なことを受けて、最近はRBA要人の豪ドル高けん制発言が増えてきました。ちょうど昨日もロウRBA総裁が「豪ドルの上昇は旅行業や教育分野などの支援にならない」と発言したばかりで、豪ドルが堅調になればこれらの発言が下げインパクトになります。
豪ドル円だとクロス円の上下にもつられやすく、特に今はドル円に足を引っ張られそうですから、豪ドルドルでの豪ドル押し目買いや、豪ドルNZドルの豪ドル買いで豪ドルを見ていきたいと思います。
追記:その豪ドルドルですが、ドル安地合いを背景に豪ドルが上伸し、9月8日に0・81169まで上昇して2015年5月13日以来の高値となりました。米FRB人事問題や地政学的リスク、デフレーターの鈍さ、にわかに増えてきたイニシャルクレームなどを材料にドル安地合いはさらに進みそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。