9月14日の英中銀のMPC会合で、政策金利0・25%、及び資産買い入れ枠4350億ポンドの据え置きが決定されました。政策金利については、7対2で、2名(サンダース氏、マカファティー氏)が利上げを主張したことも報じられています。
この据置きについては予想通りの結果でしたが、同時に発表された議事録を材料にポンドが吹きあがりました。議事録では、「経済が引き続き成長し、インフレ圧力が上昇し続ければ、今後数ヵ月以内に利上げを実施する必要がある」と利上げを見込む文言が明言された点です。これを受けてまずポンド円は145円ミドルから1円吹き上げました。翌日には、MPCで最もハト派と言われるブリハ委員も「BOEは数ヵ月以内に利上げが必要になる可能性」「景気が予想通り回復したらさらに引き上げるべき」とかなり強いメッセージを示したことで、ポンドは一段と上昇し、週明けには151円58銭まで上昇して2016年6月のブレグジット投票直前の水準まで値を戻しています。この間、ロンドン南部で地下鉄テロが発生してもいるのですが、市場がすっかりテロに慣れてしまっており、全く相場に影響していません。これは欧州各地のテロ全てに言えることですが、今やちょっとやそっとのテロは全く売り材料にならないということも踏まえておいて下さい。
さて、本当に利上げに行くのでしょうか?カーニーBOE総裁は、近年コロコロと発言やスタンスを変えるので、何を信じていいのやら。ただし、他の委員も利上げに言及してきたことはポンドがブルになる良いキッカケになりました。
政治面では、ジョンソン英外相がメイ首相に反旗を翻していることも話題になっており、週末までに辞任する可能性があることを一部メディアが報じています。英国民には人気のある氏ですが、ブレグジット交渉ではかなり強硬派でかき乱すことから、ジョンソン氏が閣外に出るとしたら、市場は好感しそうですが、どうなるでしょう。まずは22日にメイ首相が行う演説を受けたポンドの反応を見て、基本押し目買いで見ていきたいと思っています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。