直近で注目されていたアメリカの税制改革概要ですが、正式発表を前にだいたい出揃ってきたようです。目玉とされた法人減税については現状の35%から20%まで引き下げ、最低税率は10%から12%に引き上げというところで落ち着きそうです。
加えて、26日のイエレン議長発言の中で「インフレ目標の2%に到達するまで据え置くのは賢明ではない」「中立的にするにはもう少しだけの引き締めが必要だが大きくはない」と中長期的な利上げ期待は打ち消したものの、目先の利上げは認める内容が含まれました。法人税の大幅減税への期待感、12月利上げへの期待感からドルが底堅い動きになっています。一部では、目先114円がターゲットという声も出てきており、北朝鮮問題にも慣れて織り込んだ市場の雰囲気は、強いドルブルになっています。
そしてお隣のカナダですが、9月26日、カナダのモルノー財務相の「政策金利は依然として歴史的低水準にある」という発言が報じられ、追加利上げ期待でこちらも堅調な動きになっています。カナダは7月、9月に各25bp引き上げ、現在の政策金利は1・00%です。年内は10月25日、12月6日に金融政策会合が行われる予定ですが、10月は様子を見て、12月利上げという線が期待されそうです。
ユーロは独政権連立への不安、NZも政権不安、日本も選挙を控え、利上げ実施が濃厚だけどBREXITを控えるイギリスと何かと懸念材料を持つ通貨の中で、目先は北米2通貨が堅調な地合いが続きそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。