日本時間の14日早朝、イエレン体制で実質最後のFOMCが開催され、25bpの利上げが発表されました。これは既定路線で、注目は今後の見通しについてですが、今回のFOMCでは、2018年の利上げ見通しは3回、2019年は2回と9月の予想を据置きました。これを受けてドルは112円台半ばまで売りが進み、チャート的にはMACDがデッドクロスし、21日線を割ってくるようだとやや下押しの動きになりそうです。
さて、今回のFOMCの結果を受けてアナリストの解釈は全く異なる内容が見受けられます。「今回は円高が進んだが、日本は大規模緩和の道途中、日米金利差で一段と円安・ドル高になるだろう」というものと「来年の利上げ見通しを見ると思ったよりハト的である。政策不透明も加味して更にドルは売られる」と真逆の見通し。円安を見込むのは主に国内勢、ドル安を見込むのは主に海外勢という印象です。(と書くと、海外勢の方が正しい気がしてしまうのが、外人主導型相場に慣れている悲しい性・・・)
ちなみに、私がまず思っているのが、パウエル次期FRB議長が、これまでのイエレン体制を踏襲すると思い込んでいると意外と間違えるかなという点です。今回出た候補者の中では一番中立的な人ではあったかもしれませんが、なんとなく発言がトランプ大統領寄りになりつつあるような気がしてなりません。FOMCは来年ガラッとメンバーが変わり、新任の理事も増え、NY連銀総裁まで変わりますから、色合いが変わると思っておいた方が良い気がしています。新しい流れは、3月のFOMC前からでしょうか。
それともう1点。『2018年の大予測』でも書きましたが、来年11月は米中間選挙です。本来であれば現職の大統領が2期務めますから、就任直後の中間選挙はあまり注目しませんが、トランプ氏は2期やりますでしょうか??うーんやらない気がしています。となると、中間選挙は途端に注目度が高まりますよね?
中間選挙の年と翌年は、ドルが安いというアノマリーがあります。過去4回の中間選挙を見てみると、1992年クリントン勝利の中間選挙90年が年足陰線、2000年のブッシュ勝利の中間選挙98年が年足陰線、2008年のオバマ勝利の中間選挙06年が年足陰線、2016年のトランプ勝利の中間選挙14年が年足陽線となりました。年足陽線はアベノミクス相場の途中だった2014年の1回だけで、後は比較的大きいボラがあったうえで、陰線で引けていました。
あくまでこの2つは来年の要注意事項で、これに加えて地政学的リスクが含まれますので、混沌とした1年になるかもしれません。ただ、利上げの過程であることを考えると、現在は未だ売るという目線で見ておかない方が良いのではないかと思います。