カーニー総裁の強気発言が、このところ堅調なポンドをさらに後押ししています。1月30日の議会証言で、英経済に対して強気な見方を示しました。
「世界経済の強さのおかげで、2016年8月のBOEの予測より、英経済は上回った状態になっている」「経済の停滞を取り除いたので、インフレターゲットに焦点が戻っている」「今年の英国は世界の成長とふたたび足並みを揃える可能性はある」と、リーマンショックから10年で経済は回復してきているという強い内容でした。ポンド円は1月25日に156円まで上昇し、BREXITショック安直前の水準まで戻してきました。
英中銀は昨年11月に10年ぶりの利上げ(25bp)を実施しましたが、再び利上げ観測が強まってきています。短期金融市場は25bpの追加利上げの5月実施を約50%、8月までの実施を約80%織り込んできています。
また、先般元英首相のブレア氏がダボス会議の合間のインタビューで「BREXITが40%の確率で来年3月までに撤回される可能性がある」と撤回の見方を示していました。これが現実的かどうかは分かりませんが、再度国民投票をするのではないか?という見通しが強まってきているという事だそうです。
メイ首相の支持率はかなり落ち込んでおり、首相のすげ替えは言われていましたが、英の政局と欧州との関係に再び変化が出る可能性がありますが、今のところそれらが出るのならば英経済には更なるプラスと受け取られそうです。
年始からユーロに注目していましたが、ポンドの方が先に大きな動きを見せてくるかもしれませんね。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。