先週から今週にかけての急落地合いを受けて、報道を見ていると「これで3月の利上げは無くなった」とするコメントを多々目にしたのですが、本当にそうなのでしょうか。正しくは、今の時点でそこまで言い切るほどの下げなのか?という印象です。今回NYダウは史上最大の下げ幅になりましたが、ただ、史上最高値をこれだけ更新し続けているわけですから、幅で見れば大きいのは当然でしょう。ただ、下落率なら4・6%、ザラバ最安値を見ても5%程度です。リーマンショックの時が7%前後の下げ、ブラックマンデーは22%と比較すると、率でそこまで怯えるほどの大暴落と言い切るほどではありません。
これだけ株価が高かったわけなので、当然調整の幅だって高くなります。今の時点での数日を見る限り、その理解で良さそうです。となると、3月の利上げが無くなったと言い切れるのか?というところです。ドル円相場を見ると、この下げ地合いの中でも108円を割るようなリスクオフの動きにはなっていません。むしろすぐに戻してきています。確かに利上げに懐疑的になっている向きはあるので買い上がるほどの力はありませんが、3月利上げが完全に見送りという雰囲気を織り込んだ動きになっているとは思いにくいのでは・・・。
つまり利上げが無いと言い切るだけの根拠は無いので、あまり下を見ておかない方が良いかなという印象です。むしろここで耐えたとなると、利上げを織り込みだしたらスルっと上がっていくのではないでしょうか。昨年に続き、まだ下値108円、上値114円の大きなレンジ内の動きと見ています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。