イースター休暇を前に、リスク後退の機運が重なり、28日のNY時間午後にドル円相場が107円01銭までするっと上昇しました。イースター休暇前のポジション調整、北朝鮮の金正恩委員長が中国の習近平総書記と極秘会談をし、その内容が習近平氏を通じてトランプ氏に届いたというTwitter表明があったこと、年度末の決済も一巡した等々、色んな事が重なりするするっと上がっていきました。日本時間の深夜ですから、リアルタイムで見られていた方も少なかったと思います。私もリアルは見ていません。
107円まで行ってしまったことで、ドル円相場に対してブル目線になれるかどうか?この点は、イースター休暇が明けるまで分かりません。海外勢がどのように再度ポジションを作って来るのかということもありますが、来週は日本も新年度が本格的にスタートします。生保は昨年秋に構築した米債とドル円ロングで厳しい冬だったという話も聞きますから、新年度はあまり買ってこないのではないかという見通しが言われています。つまり本邦からの円相場を支えるパワーが少なさそうだという見方です。
また4-5月は北朝鮮問題の解決に向けた会談が続きますが、米朝会談で平和的な合意がなされるはずがないだろうというコンセンサスの下、これらを背景に再度売りポジションが構築される可能性もある春相場です。
とりあえず、海外勢が休暇明けで本格的に市場参入する4月3日の欧米タイムまで、小休止します。今日(3月30日)のザラバ中に為替を見ていても、スカスカしてやり辛いですよ。無理に手出しせず、新年度明けを待ちましょう。買いで入るか、売りで入るか?海外勢の動きを見てからのポジション再構築で。
もう1つ、ランドについてです。
3月24日、注目されていたムーディーズの格付けが発表され、信用格付けはBaa3を据え置くも、見通しをネガティブから安定的に引き上げました。今年に入ってからの南アフリカの政治的な変化を好感した形です。前大統領のズマ氏は16日に汚職で起訴され、改めて政治の一掃を内外に知らしめました。
ランド円は現在、9円を挟んでの小動きになっています。昨年11月に7・7円台の安値から、ズマ大統領の後任に現大統領のラマポーザ氏を指名し、あっという間にズマ氏を退陣に追い込むまでで、力強いランドの上昇を見せていました。ただ、ここからは経済回復を確認して行く段階です。
ここからランドが上昇をしていくには、S&Pが「南アフリカの格上げは程遠い。成長率の伸びが必要」とコメントしていることからも、資源価格の下落と悪政で疲弊した経済を立て直すことが急務です。今はランドを買える手掛かり材料がありません。安値で持っているポジションがあればスワップの期待がありますが、ここから買っていくには8・80-90あたりまで押してから、ストップを60に入れてインカムゲイン目的で小動きの間保有するのはありかもしれません。キャピタルゲインは期待出来なさそうですから、その点はご注意を。
※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろし、及び会員向けレポートより抜粋・追記した文章となります。