シリア情勢が深刻化してきており、ドルは伸び悩んでいますが、カナダドルは対円で堅調に推移して、2月以来の85円乗せの動きになっています。
カナダドル円については先週発行の週刊レポート内コラム「為替ばんざい」(会員限定コラムの為、ホームページでの掲載はございません)で一番良い動きをしていると取り上げておきましたが、先週末、米雇用統計と同日に発表されたカナダの3月雇用統計が、就業者数が予想2万人に対し、3万2300人増、失業率は予想通りの5・8%となりました。まずは就業者が増えたことで、雇用の悪化がひとまず止まったと好感されました。
また10日に発表された3月の住宅着工件数も予想を上回る22・52万件と上回り、2月分も上方修正されたことから上値追いの流れが続き、85円を回復する動きになりました。
その後発表された2月の建設許可は、前月の+5・2%(修正値)を大きく下回る-2・6%となりましたが、住宅ローン審査基準の厳格化による住宅投資が減っているという前提なので、為替レートにはあまり影響が出ませんでした。それよりも原油が堅調に推移したことが追い風になりました。
今後の材料は、来週18日に開かれるBOC会合です。今後の雇用やカナダ情勢について中銀がどのように見ているか、その声明如何では次の流れが出ると思われます。今回は据置きの公算ですから事前にポジションは閉じておきたいですが、今後の利上げ見通しについての言及がされるようだと新たな流れが出ると思います。
※こちらのコラムは会員向けレポートより抜粋した文章となります。