シリア攻撃が市場であまり大きく反応しなかったことで、地政学的リスクが落ち着いていましたが、ここへきて極東アジアのリスクに朗報です。
今週、アメリカでは日米首脳会談が行われ、19日は声明が出されました。事前に円相場についての言及がにわかに不安視されましたが、為替についての言及は無く、落ち着いた内容で通過となりました。またこのタイミングでポンペオCIA長官(次期国務長官)が極秘訪朝し、金正恩総書記と会談したことも報じられました。これを受けてトランプ大統領は17日、米朝は「極めてハイレベルの直接対話」を始めたことを明らかにしており、昨年より不透明感を強めていた北朝鮮リスクが後退しています。
今後、米朝首脳会談が開催される予定で調整が進められており、開催候補地は5ヵ所、米国は含まれていないということ。会談では「日本人拉致問題を取り上げること」を確約されたことも、今の日本の政局の中で与党にはプラスの成果になりそうです。与党にプラス=外国勢の日本国内政局不信感が薄まるので市場には好感に繋がりやすいのではないでしょうか。
またトランプ大統領は「南北が軍事紛争終結宣言を検討している」という内容を支持し、朝鮮半島の長い休戦状態が終結に向かう機運です。米朝首脳会談の目的は北朝鮮の非核化であり、この問題が確定するまでは「終わった」とは言えませんが、現在は一旦リスク後退となっています。
米朝首脳会談は6月の実施が濃厚とされていますので、ここで非核化についてどのような協議がなされるかによって、リスクは再燃・完全後退といずれかの流れが出てくると思いますので、6月のドル円はちょっと注意です。
現状では下方リスク後退で、ドルの押し目は拾いたいところです。ただ、来週末には日本の大型連休に入ります。近年はセルインメイもあまり現実味がありませんが、市場を離れる人が多いということは、現在の売り・買い持ちポジションの決済は出てきますので、来週後半は前半と真逆の動きになるかもしれませんね。
5月に入ると、ドル円一目の雲上限が108円まで下がってきますので、雲の上抜け期待も。週足MACDはゴールデンクロスしてきますので、テクニカル面からは押し目は丁寧に買いたいです。107円前半~割れたところは拾いたいですね。私は押し目で拾えれば106円70にストップを入れて少しブル目に狙いたいと思っています。(今時点では)
※こちらのコラムは会員向けレポートより抜粋・追記した文章となります。