為替市場の急速なリスクオフの動きが一旦収束しました。ドル円は米債の売りに押されて金利が上がらず、110円前後でこう着した動きになっています。5月2日、10日に110円を付けて下げた節目で今回も止められており、今の米長期金利の利回りから伺うと、目先ここを上に抜けるには重そうな様子です。
ユーロはイタリアが再組閣したことでショートカバーも相まってV字型の切り返しになっていますが、3月23日につけた128円92銭の安値がちょうど節目となって止められており、一段の買いにはドル売りか、好材料が望ましいというところで、ちょっとここから買っていくのは考えてしまいます。また、すんなり政権運営がされるという安心感も無いという点でも、買い目線よりは売り目線か。
さらに、来週はECBが控えていますが、ここで市場が注目しているのは、出口戦略についての言及です。今回のECBではなんらかのメッセ-ジが出されるのではないかという見通しが強まっていますが、国債買い入れについてどういう方向性を示すかによっては、イタリア国債を含め不安定な南欧国債売り(利回り上昇)を呼び、再びのリスクオフ地合いが懸念されます。14日のECB、非常に注意が必要です。
来週はその前12日に米朝首脳会談、12-13日でFOMCもあります。材料が立て込んでいますから、今は無理をせず動向をしっかり見て資金を温めておきたいですね。懸念されるユーロ売りが、その後始まるサッカーW杯で閑散と動かないかもしれません。が、憂鬱だらけのイタリアは今回W杯の出場を逃しているので、マーケットで意外に暴れまわったり?とにかく今は静観。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。