13日の日本時間20時、トルコ中央銀行が6月以来の政策金利引き上げを決定しました。利上げ幅はサプライズの6・25%、17・75%から24%となり、予想中央値の3%を大きく上回ったことからトルコリラは急騰、これに連れる形で新興国通貨も上昇しました。
この発表直前にあたる、同日18時頃、トルコのエルドアン大統領が「金利は低下させる必要がある」「インフレは中銀の間違った措置の結果だ」と発言したことで、その後発表される政策金利が期待に沿うものでは無いのではないかという雰囲気が広がり、リラ売りが走っていただけに、サプライズのインパクトは一段と高いものでした。そして今回の行動は、トルコ中銀が政治からの独立性を発揮して決断をしたということ自体は素直に評価されました。
ただ、エルドアン大統領がそのままにしておくとは思えませんから、トルコ中銀トップのすげ替えが行われる可能性は高そうに感じます。このままリラが回復していくというシナリオはとても想像できません。
この利上げを受けてリスクオンの流れが強まり、ドル円は8月1日以来の112円台に乗せました。来週は日銀政策決定会合、自民党総裁選と日本のイベントが続きますが、今のところは波乱要因はありませんので、目先はリスクオンの流れが続く可能性が高そうです。
しかしトルコ中銀が夏に今回のような強い姿勢を示して利上げをしていれば、今のようにリラ安に苦しむことも無かったような気もしてしまいます。
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