いよいよ師走相場です。株式市場は年末まで大きく盛り上がっていく時ですが、為替相場はお正月より一足早く、欧米のクリスマス休暇が近づくことから、12月2週目でだいたい相場がまとまり、3週目には一気に参加者が減りだします。今年は12月11日に英国のEU離脱についての国会投票が行われ、先般のEUとの合意内容についての審議が定まり、13日のECB会合で量的緩和が終了する予定です。翌週19日にはFOMCで年内最後の利上げが実施される見通しが高く、日本単独ではその19日にソフトバンクのIPOが控えています。
これらの材料が一通り通過すると、年内の為替相場はおしまい。27、28日からじわじわと欧米参加者が出てきますが、実際のスタートは年明け2日(水)になるかと思います。
この師走相場ですが、多くの通貨の中で最も陽線率が高いのがNZドルです。お時間がある時に対円の月足チャートを見てみてください。12月はかなりの頻度で陽線が見られると思います。2009年以降昨年までで9回中8回が陽線、かなりの頻度です。今、NZドル円のチャートをご覧いただいても、ハッキリNZが堅調なことがよく分かります。
私は対豪ドルでのNZドル買いをこの秋勧めておりますが、こちらの動きも変わらず。中国はじわじわと米中貿易戦争の影響を受けて製造業を中心に鈍化が出てきているだけでなく、通信大手のファーウェイを排除する流れもあり、海外利益は減少の傾向が伺えますので、これらを背景にオーストラリアも引き続き経済に前向きになる要素が見えないことから、まだしばらくは下値追いかと思います。対円はドル円の動向次第で影響を受ける可能性があるので、豪ドルNZドルペアでの取引を引き続きオススメです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。