今年1月にメイ首相とEUでまとめた離脱合意案を英議会が否決して以降、メイ首相は3月29日の離脱を延期しないというスタンスを明確に示してきました。3月15日までに英議会で新たな合意案を決着し、22日までにEU首脳で採択がされるという最終ラインが報じられていましたが、合意なき離脱の現実味が強まっていました。それが2月26日夜、風向きが変わったようです。
メイ首相が新たな合意案が議会で支持されない場合には、離脱延期の採択を行う(1回目で、6月末まで)と述べたことで、「合意なき離脱」懸念が後退したという向きが強まり、ポンドは大きく上昇しました。対円で一時147円台、昨年11月15日に以来の3ヵ月ぶりの高値です。
離脱延期を認めるかどうかの採択は3月13日に行われるということです。
アメリカは金利据え置き示唆と経済指標のマチマチな動きでドルがかなり弱くなっていますから、ポンドが先進国の中で最強通貨になっています。ただ、政治的な判断でまた変化はしますから、ロングはこまめに利食いを入れて利益を確定しておかないと持ちっぱなしではいけませんね。
先般、ホンダが英国の工場を閉鎖する方針を示しましたが、この撤回を要請するため、近く英側の担当相が日本に来日することが検討されていると報道されています。撤回するには、ある程度先のある未来の提示が無くては闇雲に「工場を閉めないで」とも言えないでしょうし、英側の方向性を、ホンダを通して身近に見ることが出来るかなと注目しています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・加筆しております。