4月2日、5月に総選挙を控えたオーストラリアが2019年度予算案を公表しました。2019年、20年、21年度の経済成長は下方修正になったものの、長期間の記録として続いている景気後退(リセッション)なき成長は引き続き続くとしました。その根拠として、資源価格上昇による増収が大きく、その成長は4年ほど続くと見ているというものでした。
ただ、NZ同様に豪州も住宅価格の下落の影響を大きく受けており、外貨マネーの筆頭だった中国からの資金流入も減速しています。銀行の資本規制強化をしていることで資金の流動性が失われていますし、そもそも対中関係は近年例が無いほど悪化してきています。
失業率は2月の4・9%が8年ぶりの低水準となり、しばらくこの水準が続くのではないかとみられていますので、ファンダメンタルズ的な要素と今回の内容を比較すると、言葉通りに受け取るのは厳しい状況です。確かに資源価格は反転しているものも多いですが、過去に経済を大きくバックアップしてきたほどの寄与があるかどうかは不明瞭です。
今後は選挙対策として、低所得者層を中心とした減税策、支援策の打ち出しが想定されていますが、現在の与党連合への支持率は、直近の世論調査でも野党の支持率を50回連続下回っており、政権交代の可能性が高いとみられます。
豪ドル円は77・50~79・50でレンジ相場になっています。選挙までにこれを上下どちらかに放れて来るのではないかと思われますので、レンジトレードに徹しながらブレイク待ちです。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。