31日のFOMCでアメリカが約10年半ぶりに利下げを決定したのは既報の通り、その後トランプ大統領がパウエルFRB議長を口撃するのも想定通りでしたが、ドル円は109円台まで上昇し、円安が日本株を押し上げる動きになったのが8月1日でした。
7月末は米中の閣僚級会合が上海で行われており、何の成果も無く早々に終了したことが報じられていましたが、8月1日のNY時間にトランプ大統領が中国に対する追加関税を決定したことで再びリスクオフが強まる展開となり、ドル円は106円台まで下落するボラティリティの激しい動きとなっています。
中国に対する追加関税は、9月1日より施行となり中国製品3千億ドル分相当に10%の関税となりますが、これをすでに「25%に引き上げても良い」という発言も報じられています。これによって中国からの輸入のほぼすべてが制裁関税の対象になり、さらにこの対象にはスマホなど携帯電話やノートパソコンといったIT製品が含まれ、米中に関わらずグローバルでの悪影響が必至の状態です。
ドル円相場は現時点で106・84まで下落し、6月25日につけた106円台の安値に顔合わせとなっています。ちなみにこの時のドル安もトランプ大統領が日米安保条約の撤回を熟考しているとブルームバーグが報じたことで起因となりました。
日本の参院選挙が終わり、いよいよ日米通商交渉が始まると予想されます。8月2日の深夜には欧州に対する通商交渉合意を発表すると公表しました。スケジュールを出していることなので、これはあまり悪い内容にはならなさそうですが、さて、次は日本ですね。これも円高リスクとして念頭に置いておきたい1つです。また中国は週末に何がしかの発表をすることが多い国です。報復措置を出す可能性があるので、ポジションの週末リスクにも注意を置いてください。
※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。
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