通貨安競争が過熱2019.08.09

8月7日、NZ準備銀行が政策金利を50bp引き下げるサプライズの引き下げ幅での利下げを決定しました。利下げ自体は織り込まれていましたが、市場予想は25bp、それが倍の50bpを一気に引き下げたことで、NZドルは1円以上急落し、お隣の豪ドルも連動して大きく下げました。

この日は、インドが4会合連続の利下げを実施し、タイも25bp引き下げ5・40%へ、翌日はフィリピンが利下げと、新興国を中心に利下げが過熱してきています。

改めて見てみると、7月には豪、南アフリカ、インドネシア、韓国、トルコ、ロシア、アメリカが利下げを決定するなど、多くの国が自国経済防衛に動き出しています。トランプ大統領は現在の状況を見る限り「自分はドル高は嬉しくない」「今悪いのはFRBだ」と自国の金融当局者を攻撃し、ドル安への口先介入を強めています。この発言も想定通りですが、米中も貿易協議から通貨戦争に発展しつつある今、周辺国は警戒せざるを得ません。

今週50bpの利下げを決めたNZは、最大の貿易相手国が隣国オーストラリアと思いがちですが、現実には輸出入ともに中国が最大の相手国です。この中国経済が目に見えて減速してきていることと、地政学的リスクを孕む動きが強まっていることから、防衛的な手段をいち早く打って出ています。アメリカの追加利下げ機運が高まれば、一段と世界の中銀が利下げに出てきますので、地合いが落ち着くまでは高金利通貨の値ごろ感での押し目買いは気を付けてください。今はまだ金利差よりも経済不安が先立つ状況ですから、ポジション調整に押されがちです。

来週はお盆で日本市場は一服になりますが、このお盆の時期は何かと動きが出やすい時です。1971年のニクソンショックは8月15日、2015年のチャイナショックは8月11日が起点でした。休暇前のポジション調整をしっかりなさって、ストップロスなどもご確認ください。

※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。

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