株式投資早見雄二郎の特ダネ株式ニュース

今年は「○○ショック」という名前が付くようなショック安相場ではなかったものの、非常に波乱含みな展開の８月相場でした。９月には、早速各国金融政策会合が控えていますが、ここへきて現在の政策金利を１・７５％の比較的高水準で据え置いているカナダがにわかに利下げへのかじ取りを示唆し始めています。９月４日に政策金利会合を控えており、ここでは据え置き予想。ただ、少し利下げを示唆してカナダドルを押し下げたいという思惑を匂わせる可能性はあるかなと思います。

カナダは１０月２１日に総選挙が実施されます。先般、トルドー首相が汚職捜査をめぐり司法当局に圧力をかけた疑惑で、それを認める報告書を公表しました。トルドー氏は責任を認めるも謝罪は拒否しましたが、有権者がどのように判断するのか、楽観視できません。その渦中ですから、選挙が終わってからの１０月３０日の会合での利下げという流れが既定路線となっている見込みです。

カナダドル円は、７９－８０円前後で小動き、ドルカナダも同様に１・３３前後で値を固めています。今は荒い乱高下がありませんが、利下げを匂わすようになると、まずは７５―７６円前後への下げが意識されるかと思います。結果的に高金利になっている先進国通貨ですから、中銀動向をこの秋はしっかり意識して、高いところを売れるように準備しておくのも一考です。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。