昨日(5日)のアジア時間に、米中が通商交渉をワシントンで10月初旬に行うことを公表したことで、再びこの問題への明るい材料ととられた買い戻しの動きが株、為替共に強まり、このところ堅調だった金が値を下げる動きになりました。
そもそもは9月に予定されていた会合が、米中双方の態度硬化で暗礁に乗り上げたかに見えていたものを軌道修正しただけのことで、そのニュース自体にさらに買い上がる材料は見えません。ただ、指標の堅調さとこのところの動きの反転や秋相場で市場参加者も戻りつつあり、リスクテイクの動きが強まっていることが後押ししているようですね。
来週12日(木)はいよいよECB会合、翌週にはFOMC、日銀も控えています。緩和期待が強い現状ですが、マーケットの期待にどう応えるのか注目度の高いイベントが続きます。特にFOMCですが、それを前に本日(6日)は8月の雇用統計が発表されます。NFP予想値は+15・8万人(7月は+16・4万人)、失業率は3・7%となっていますが、昨日(5日)発表された民間統計ADPでは、予想+14・9万人に対し、結果+19・5万人と堅調な数字になりましたので、やや期待が強まりました。ただ、例年8月の雇用統計は低水準で、その後の改定値で回復が見られることが多い点は注意したいところです。
さて、来週はその他11日から香港で一帯一路サミットが行われます。このタイミングでの香港ですから、取りあえず一旦場を収めたい中国の意向が今週は働いたかな…なんて見方も。
10月1日は中華人民共和国建国70周年記念式典で習国家主席の演説を控えており、その後は米中通商協議、そして18ヵ月ぶりに第19期4中全会の開催が予定されています。テーマは「社会主義の改善や国家統治」で経済討議は主題ではない模様です。ただ、法治について含まれることから、香港問題や来年1月総統選挙を控える台湾問題についてが議題に入り、新たな流れの起点になるかもしれません。
しばらくはリスクオンの流れが続いて欲しいものですが、秋は波乱の時期です。この時期はどういったスケジュールが予定されているかを念頭にポジションを置くことに特に注意を払ってください。
※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。
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